毛布をしまえない

よなか/蟹アイスの日記です

夏映画2023

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仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐/王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン」

 

観た。

 

よく見たらこの劇場ポスター、キングオージャーの部分めちゃくちゃ見切れてるな。

 

ギーツの本編を全然追えておらず、言えることがほぼないので、主にキングオージャーの感想をメモしていきます。

 

 

↓↓↓

 

 

・開幕ジェラミー人外ムーブ、嬉し〜〜

※厳密にはジェラミーは人“外”ではなく、人間とバグナラクの親を持つ子ですが、ここでは人間とかけ離れた寿命や浮世離れした雰囲気などを指すオタク用語としてこの言葉を使わせていただきます……←自分を納得させるための注釈

 

・王になったら何をしたい?と問いかけるのがジェラミーなのもいいな。物語の最初に命題を投げかけてくれるの、語り部だ。

 

・各国王のそれぞれの振る舞いの違い好きだ〜

カグラギがめちゃめちゃ大殿様!って感じの振る舞いするの好きなんだよな。なんかこう、見えないところで色々やってる人が、表向きの立ち居振る舞いはすごい大袈裟なの、良い。(♪宴じゃ宴じゃ!(ソレソレソレソレ〜!))

 

・30分という尺の都合上、冒頭での登場人物全員の飲み込みが良すぎるやつ〜

「シュゴッタム王即位の時に死者の国への扉が開かれる」のに、ギラ以外の王様達も死者の国に懐疑的だったってことは前王即位の時は皆少なくとも儀式の場にはいなかったってことだよね?

ラクレスとの歳の差などを考えてしまう〜

ていうか…ラクレスもこの儀式…したんか…?

その結果ああいう王道を選んだということであればかなり文脈が生まれないか……?

 

・ジェラミーが糸飛ばすの、オッ!ナイスゥ!となったけど、よく考えると「正式な王じゃないから即位の儀式に招待されない」という状況を逆手に取ってるのおもろい。いや凄いけど!てか脚本がすご!それはずっとそう!

 

・さっさと帰りたいリタ様←LOVE

帰れないのに気づいた後の謎の動きとか、俳優さんが楽しんで演技されてるのが想像できてニコニコした。

 

・死者の国を「データ」って表現するヤンマくん流石すぎる。

キングオージャーってファンタジーと科学的な世界観が混ざっていて、かつ特に正解がないところが独特だな。理屈っぽいキャラは理屈で考えるし、そうでもないキャラは魂とか霊的なものもまあまあ信じていて、どっちが正しいとかじゃなくそれぞれのキャラクターなりの行動が物語を動かしてるのがいいな〜。

ヒメノ・カグラギが死者の国で別行動になったの、故人への思い入れが強い人(=付け入りやすい人)が引っ張られてるってことだったのかな。その2人が過去にさよならを言ったり、来るかわからない暗い未来に捉われず、現在(国と民)を選ぶのが、結果的にヤンマくんの「見えてる目の前のものを見る」思想とリンクしていてよかった。

モルフォーニャがリタ様に「死んだ人には人気みたいですね」と言うの、でもそれに気づかせてくれたのはお前(生者)じゃん!!!!となりましたね。

 

・ピンチになった時冷静にパソコンカチャカチャするヤンマくんかっこよすぎ。頭の良い人って大好き。

 

・カグラギが「黒」に誇りを持ってるの良かった。黒に含まれるネガティブな意味(腹黒とか)をちゃんと取り込んだ上でポジティブに変換してるキャラクター造形、上手すぎ。

 

・古来より蜘蛛の糸は地獄に繋がっている〜

←俺らの地球と世界観繋がってる!?????

 

・生きることは「地獄だ」と明言するヒーロー映画

凄すぎ。大好きすぎ。

台詞覚えきれなかったのでニュアンスだけど、ライニオールの、人には誰しも未来がある、家族を作り幸せになる権利がある、ギラは1人を救うために大勢の幸せを奪おうとしている、という主張に対して、「おめでたいな」「強者だからそう言える」と返すギラくん、王として、ヒーローとして信頼できすぎる。

 

実際私は今の時代を生きてて未来が必ずしも幸せとは思えないし、いつか家族を作りたいとも思えない。そもそも時代関係なく家族がいること=幸せでもないし。

だけどそれを正直に特撮のメイン視聴者である子供達に伝えることが正しい……というわけでもないと思う。頑張って生きてさえいればいつか幸せなことが起きる、そういう世界にするし、していこう、と伝えるのもそれはそれで大人の役割なんじゃないかな〜というか。

でもキングオージャーは地獄を伝えることを選んだんだなーと思った。未来は輝かしいとは限らず、生きることは苦しみに溢れ、そういう世界を作ったのは過去の歴史を築いてきた人間達なのだと。

誠実すぎるだろ。親(過去の人間)と子(未来が待ち受ける人間)で見ることの多い夏映画でさー。しかもニチアサなんて良くも悪くも過去の歴史擦りまくってるジャンルなのに。

まあ脚本にそこまで尖った意図はないと思うけど。でも、デボニカが一族の役目に従って命を捧げようとしたことを踏まえると、歴史を断ち切る=血縁関係のしがらみに左右されない的な意味は含まれてたんじゃないかな…と思う。

大勢の命のために少数の命を犠牲にするか、というのはヒーローものにあるあるの命題だけど、別に生きてたって辛いことはいっぱいあって幸せとは限らないし、そういう地獄みたいな世の中にしたのは大義のために弱者を蔑ろにする強者側のお前らじゃんって返すのは初めて見た。弱者=民を守るのが王であり、民には王を選ぶ力がある、、、おい!社会の教材とかにした方がいいと思うよこの映画。

 

ギラくんがそもそも「民を犠牲にするのが正義なら自分は正義を打ち砕く邪悪の王になる」という信念の人であることを、即位のお話に絡めて描いてくれたのがありがたかった。

 

・ライニオールの最後の言葉、全部王を試すための儀式だったのか…?

もしそうだとして、てかまあそうじゃなくても代々の王がライニオールと邂逅していたとして、やっぱりラクレスのことを…考えてしまうんですが……

 

戴冠式

ギラくんに王冠を授けるのが聖職者的な人じゃなくて側近のドゥーガなのよかった。シュゴッタムの伝統なのかギラくんの意向なのかわからんけど、側で支えてくれる人に王としての証を与えられるっていうのはギラくんぽいな〜と思いました。

 

・締めのジェラミーの台詞、人生すぎる。

暗雲が立ち込めている人生で……キングオージャーという幸せを抱きしめつつ進んでいくか…………

 

 

 

・ところで、ギーツの方は「生き続けてれば最後には勝つ!」的な思想なのはちょっと面白かった。

いや本編見れてないから正しい理解かわからないけど…でも悠也ってLife is Beautifulだからな……(仮面ライダーエグゼイド、愛しています)

 

・ガッチャードのカラーリングにマイティーブラザーズを思い出し、懐かしくなりました。

 

 

果たして私は新ライダーを追うことができるのか!?未来は何が起こるかわからない!

 

 

 

おわり