毛布をしまえない

よなか/蟹アイスの日記です

この世界でたった一人の

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観てきた。

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』………………………

 

 

 

 

今すぐ続き観たいが!???????

 

 

 

本当に良すぎたので、公式の見解や他人の感想を見る前に自分が感じたことを書き殴ろうと思います。

台詞とかうろ覚えなので若干間違ってるかも。

 

〜以下自分語り〜

 

 

 

 

 

今作、めちゃめちゃ前作に対してのカウンターだなと感じた。

 

 

私が前作『スパイダーマン:スパイダーバース』で感じた興奮のひとつは、マイルス・モラレスや他のみんなが、私が知っている“スパイダーマン”だということだった。

私は実写スパイダーマンMCUしかちゃんと観れてないし、元々の入りは『アルティメット・スパイダーマン ウェブウォーリアーズ』というテレ東でやってたアニメなので、所謂スパイダーマンのお約束を全部知ってるわけじゃない。

そんな私でも有名なあの台詞やベン叔父さんを亡くすこと、恋人のMJやドクオックという宿敵がいることくらいは知っている。

だからこそ前作で出てくるスパイダーマン達が同じ運命を背負っていることにスパイダーマンの歴史や、フィクションならではの様式美みたいなものを感じて純粋に楽しかった。

 

「この世界でたった1人のスパイダーマン」という台詞も好きだった。私たちは世界で1人きりで、自分のことを理解してくれるのは自分しかいないと私は思っている。でもマイルスが辛い時に別世界の同じ境遇の仲間達に想いを馳せることにしたみたいに、私もフィクションのキャラクターに自分を重ね合わせて、勝手に救われたり頑張れたりしていたから。

 

私はスパイダーマンの歴史を全然知らないけど、映画の最後に記されていたように「一人じゃないと教えてくれてありがとう」と思った。

 

 

でも今作……………

マイルスは“スパイダーマン”じゃなくて、“スパイダーマンをやっているマイルス・モラレス”だった。

それは前作からずっとそうだったのだろうけど。

スパイダーマンスパイダーマンたらしめている要素、

ピーター・B・パーカーの、「俺たちの人生には良いことも悪いことも必要だった」「ベン叔父さんを亡くしてなかったら俺たちのほとんどはここにいない」一つの真理だし、すごくメタ的な台詞でもある。

 

でも知らねえよなんだよな〜〜!良いことも悪いことも人生には必要って、それは経験したから言えることだ。親が子供に言う説教みたいに。大人が自分の人生を振り返って自分を納得させる時みたいに。

ミゲルの「お前こそ何様のつもりだ」に対しての、「マイルス・モラレスだ」って返答が本当にかっこいい。みんな僕にこうあるべきと言うけど自分の運命は自分で決める……この台詞、字幕版で見返したら「みんなが僕の物語を語ろうとするけど」になってて、これをフィクションのキャラが、歴史あるスパイダーマンという物語の1人が言うことの凄さがさー…結局“スパイダーマン”という枠組みで捉えてしまうけど…

 

マイルスは画面の向こうの私のために生きているわけじゃないんだ。当然だけど。それが本当に嬉しかった。

 

 

つっても“スパイダーマン”ならではのメタネタがいっぱいあったのは嬉しかった!!

ていうか今更だけどスパイダーバースもMCUなんだよな。MCUもう追えなくなっちゃったからドクター・ストレンジ云々がわからなくて悔しかったけど、「椅子の人」ではニッコリした。

 

新キャラも全員良かったよ〜〜!

ホービーとパヴィトル、あまりにも魅力的すぎる。特にパヴィトルは吹替でも字幕でも萌え萌えでよかったです。

スポットも……「ヒーローに一方的に執着してるヴィラン」 こんなん嬉しいに決まってますからね。

 

 

親がみんな人間味溢れてたのも良かったな。

みんながただの人間で、一生懸命「親」というものをやろうとしてる。

BパーカーのMJの「こんな特別な子を育てる教科書なんてない。貴方みたいになる教科書も」が、マイルスもグウェンも全員がそうなんだろうな…と思った。みんな一人一人違う人間だ。

 

マイルスが親に言った「僕の人生だ」、そりゃそうだなと思ったけど、お母さんの「あなたの人生は私やご先祖様達が用意した場所だ〜」みたいなのであー…とも思った。

このへん多分日本で日本人の両親から生まれた私には本当の意味では理解できない文脈なんだろうな。理解できると言っちゃいけないというか。

でも親が大事にしているものに対してどうでもいいよ!と思っちゃう気持ちや、それを言っちゃってやっちゃった…てなるのはわかるな〜。

グウェンに誘われて部屋を抜け出す場面で親のことを気にしてるのも、両親のこと大好きなのが伝わってきていい。

「家族はいつでもそばにいる」がマイルスだもんな……

 

スパイダーバースの、家族のことは好き、でも家族に話せないこと、話したくないこともある、そこに罪悪感を感じてしまう、みたいな描き方は結構好きで、序盤の「ありのままのお前を愛すよ!1年嘘つかれてたけど」に現れてる後ろめたさにも共感した。

 

ちなみに私は、創作における“家族至上主義”みたいなやつがあんまり得意じゃない。

だって家族であっても愛し合えない事って全然あるし。

スパイダーバースはそのへん家族の息苦しさとかどうしようもなさも描いてるから割と引っ掛かりなく見れる。あと悪役にも家族がいるので、家族=幸せというわけでもないのが良い。

今作でもスポットが「家族に会わせる顔がない」と言っていたな。

キングピンもスポットも、スパイダーマンのせいで(と言うのは難癖に近いけど)、家族に会えなくなった人なんだな〜と思ったりした。

 

家族には話せないことを共有できる仲間を求めて外に出たらそこでも合わなくて…………そういう時に、愛してくれる家族が、帰る場所があるから抜け出せるマイルスとそれができないグウェンの対比も良かった。

結局グウェンは親にスパイダーマンであることがバレて、受け入れられたけど、逆に自分から打ち明ける選択をしたマイルスは……。

 

 

 

とはいえ前作〜今作を見ていて感じていた疑問もあった。

愛せる家族がいない人や、家族が悪人な人はどうすればいいんだろう?

 

とか思ってたら今作のラストがああなって…

スパイダーバース、サイコーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

マイルスがバース42のベン叔父さんに言った「プラウラーになりたくないでしょ?」、はっきりと押し付けだなと感じた。

 

マイルスとプラウラーの問答、

「“お前の”父さんだ」「何のために?」

 

バース42のマイルスにとってスパイダーマン・マイルスの人生なんて知ったこっちゃない。

エンディングで向かい合ってるスパイダーマンプラウラーは鏡みたいで、もしかしたらマイルスも蜘蛛に噛まれなければああなっていたのかもしれないけど、でもマイルスは自分のために闘わなきゃいけない。

 

みんな“この世界でたった一人の”なんだろう。

“たった一人なのは一人じゃない”と教えてくれてありがと〜!

 

だけど、その一人同士でバンドを組むこともできるわけで。

 

 

 

 

 

あー早く続き観たい。